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2010.11.23 マンションコミュニティ研究会 フォーラム(第2回)
マンションに高齢になっても安心して住み続けるために
マンションコミュニティ研究会 第2回フォーラム 
「マンションに高齢になっても安心して住み続けるために」ご報告

 11月23日(祝)80名の方にご参加頂き第2回フォーラムは盛会裡に終わりました!
 会場にはNHKのカメラが入って熱気むんむん!フォーラムの模様は、夕方のNHKニュースで紹介されました。マンションの高齢化をどう乗り切るかは、多くの方の関心事だと改めて確認しました。

 フォーラムは、進行役の山下三貴子の元気な発声で始まりました。

趣旨説明
 最初に代表の廣田信子より、フォーラムの趣旨説明。(内容はこちら)
 マンションを、本当に終の棲家とするために今何をすべきかを、様々な角度から考えるフォーラムのスタートです。

基調講演
 千葉大学教授小林秀樹先生に「高齢になっても住み続けられるマンションとは」をお話頂きました。
 小林先生は、講演の中で、老後も安心して住み続けられるマンションの条件として、下記の3つをあげています。
 
 1.近隣関係がある「温かい」マンションにする
 2.バリアフリー等の高齢者への配慮がなされている
 3.多様な世代が住む(親子の近居も好ましい)
 
 また、「温かい」マンションとは、親密な近所付き合いではなく、顔見知りの広がりだというお話で、コミ研の考え方と同じだと、たいへん心強くなりました。
 さらに、上下階の音、「顔見知り」ではないとうるさいと感じる度合いが高くなるというのは、よく言われることです。が、「立ち話をする程度」と「それより親密な関係」を比べると、「立ち話をする程度」の方が気になりにくいという調査結果だとのお話。これもコミ研の「ほどよい距離感」につながり、納得です。
 その他にもたいへん興味深いお話をたくさんお聞きすることができました。

ワークショップ  
 さて、今回は、全員参加のコミ研らしい新しい試みをしました。
 事例発表とワークショップを組み合わせた、ちょっと欲張りな盛りだくさんの企画です。

<事例発表>

1.高齢者専用マンションの事例発表
 江東マンション交流会事務局 藤木勝憲氏
 分譲型の高齢者専用マンションの多くは、食事や健康管理等のサービスが売りです。
 管理費は一人暮らしで月10万円。もちろん食費はこれとは別ですし、介護に対応できるわけでもありません。
 それなら、普通のマンションで、できるだけ元気に、周りと助け合って暮らすことを考えようという気持ちに。すばらしいワークショップの導入になりました!
                           
2.高齢化対策/高齢者支援の現状
 NPO日住協 理事長 西山 博之氏
 行政による高齢者対策施策と、団地における高齢者支援の事例発表をして頂きました。
 資料の最後にあった「見守り活動で一番大事なのは、とにかく押しかけること。何回も押し掛けると、意外に受け入れてくれるものだ」ということばが印象的でした。

3.高齢者見守りの事例発表(江東区高齢者支援見守り事業)  
 ゾンネンハイム北砂自治会 サポート事業部 瀬田氏
 大上段に構えず、自分にできることをやっているという自然体の瀬田さんのお話は、会場の皆さんの心に自然に入っていきました。
 周りとお付き合いがなかった高齢者の方が急病になって、どうしようという時に、たまたま、最近引っ越しのあいさつに来られた方のことを思い出して、助けを求めて救急車に付き添ってもらったというお話が印象的でした。
(内容はこちら)
                          
4.世代間の交流(高齢者が積極的に子育て世代と交流)の事例発表
 富岡エステート管理組合理事長 工藤氏、 RAN代表 横山氏
 管理の問題が噴出したのをきっかけに自主管理に移行。自分たちで、このマンションをよくしていこうという思いが、人と人とのつながりを自然に育てて、それがRAN(レインボー・エイジ・ネットワーク)の創設につながったこと。
 高齢者の方々の集まりでも、誰かの役に立とう精神で、子どもたちに楽しみの機会をつくりつつ、実は、自分たちが一番楽しんでいる様子がよく分かりました。まずは楽しくなくちゃ続きませんよね。

5.団地内に住民がNPOを立ち上げ介護事業を行う事例紹介
 なぎさ虹の会 概要説明(廣田) 住民 千田氏
 廃止になった学童クラブの後を利用し、ご近所の助け合いの会から、介護保険事業も行うNPOが団地内にできた…理想的な高齢化対応が実現。
 しかし、ご近所の知り合いには介護されたくないという心理も働き、そう単純なものではないようです。
 とは言っても、自主的な風土の大団地では、様々な取り組みがあり、人と人がつながる様々なチャンネルがあることが魅力だと感じました。

6.マンションに住み続けるための具体的なプランは?
 元(財)高齢者住宅財団 坂田英督氏
 マンションが持つ高齢者の安心居住の可能性についてお話頂きました。
(内容はこちら)
 最後の締め「公的なサービスは今後増えていくでしょう。私は必要に応じて生活支援サービスを受けながら、なるべく長く自宅のマンションで住み続けたい。」は、まさに今回のフォーラムのテーマでした。

 その後、会場の皆さんとの質疑応答。
 そして、その場で6名ほどのグループに分かれ、これまでの内容について意見交換、これが大変盛り上がりました。
 各グループの代表者の方から一言発表を頂きました。皆さんたくさん語りたいことがあって、なかなか一言とはいかず(笑)、時間を少し延長させていただきましたが、たいへん盛り上がるワークショップでした。
 やはり参加型はいいですね!ファシリテーターの廣田もとても楽しませて頂きました。
 そして、ワークショップの最後は小林先生にみごとに締めて頂きました。

切手のいらない年賀状運動の紹介
 最後は、副代表の横倉から、私たちの運動「切手のいらない年賀状運動」についての紹介。
(内容はこちら)
 会場の皆さんに配布された「カードdeコミュニケーション」はとても好評でした。 

 たくさんの感想も頂きありがとうございました。
(アンケート結果はこちら)